めまいの原因 特定検査(眼球 前庭器官 小脳)
眼球運動の検査
眼球運動は4種類 眼球の動きが悪いとめまいを起こします。
①パスート…(追跡眼球運動)…目で物体を追う(ジ〜っと目で追う)
パスートテスト 顔を動かさずに移動する対象物を眼球で追わせる
(術者の指で追わせる→上下、左右、斜め。特に眼球が行かない方向)
(機能低下があると中脳レベル機能低下→脳全体の機能低下=疲労気味、うつになりやすい)
パスート リハビリ
顔を動かさずに移動する対象物(術者の指)を上下、左右、斜め(8方向)と眼球で
中心窩で捉える様に追う
②サッケード…対象を中心窩で捉えるために随意的で急速な眼球運動(パッと見る)
サッケードテスト 対象物を一瞬で捉える
(患者様は術者の眉間を見る。術者は指をパッ、パッと立てて瞬間的に眼球移動させる
一回眼球は眉間に戻す→上下は中脳、左右は橋が関与)
反応、動きの速度、方向、きちんと止まるかをチェック
(止まらない、行き過ぎ=オーバーシュート→小脳の機能低下)
機能低下があると対象物を瞬時に捉えられずクラクラ、フラつきを感じる
左右差があるとめまい起きやすい。遅い場合は経路が未発達。
サッケード リハビリ
テストをそのまま行う
③輻輳・開散…近くのものを見る時に眼球が内転(輻輳)、離す時に内転が解除(解散)
動眼神経(副交感神経)の働きを診る
輻輳テスト ペンで寄り目をさせる(しばらく静止→解散を見る)
左右差を見て、寄り目しない方にペンライト(瞳孔括約筋が収縮するか)
寄り目しない方は副交感神経(動眼神経副核)の異常、交感神経の緊張。
輻輳リハビリ テストをそのまま行う
輻輳+平行運動(耳石器と連動させながらリハビリ)
一点を見つめながら腕立てなど(視覚+固有感覚)
④固視(固視微動)…静止している対象物をじっと見る
固視していても眼球は微妙に動く(固視微動)→動かない対象物を動かない眼球で見ていると対象物が見えなくなる→固視微動させて見える様にする
眼球位置検査
患者様は立位正中位で1つの視点を見ます。
閉眼で上下に眼球を素早く50回動かし、
開眼した瞬間の目の位置は
先程見た視点と変化していないか確認。
→眼球が向いている方向に眼球の緊張があります。
(眼球位置と眼球が行きにくい方向が反対→治りやすい
治療 ①反対方向に動かす
②眼球位置の方向に動かして活性化
前庭動眼反射テスト
①前庭動眼反射(検査) 受動的VOR
患者様の顔を両手で軽く押さえ、術者の眉間を見させる
術者は急激に患者様に顔を動かして、眉間から目がそれるか確認
眼球がそれたり、頭位を動かしてふらつきが出たら陽性(前庭動眼反射機能低下)
②能動的VOR
患者様の目の前にペンを出して、ペンを見続けさせながら
患者様の顔を左右、上下と能動的に動かさせる。
眼球がペンを見続けられるか確認する
③VOR視力検査(静止している時と動いている時との視力の差)
静止状態より2つ大きいレベルが分かればOK
3つ大きいレベルを間違えるようならVOR機能低下
前庭動眼反射の異常 リハビリ
隣接あるいは反対側の神経を刺激する
例 眼球が左上に動きにくい(左目上直筋 右動眼神経 右目下斜筋 右動眼神経機能低下)
→相同性で右滑車神経を活性化させる(右外転神経や舌下神経、三叉神経に刺激を入れる)
→眼球右下(左目上斜筋 右滑車神経 右目下直筋 右動眼神経)
めまい(前庭神経核)の治療に三叉、顔面、迷走神経を間接的に刺激を入れる
前庭動眼反射 リハビリ
・術者の母指を見続けながら、顔を左右、上下、斜めに動かす
・術者の母指を見続けながら、母指の反対側に顔を動かさせる
・1点を見つめて閉眼、顔を上下、左右、斜めに動かし、開眼した瞬間に視点がズレてないか
④ 前庭動眼反射キャンセルテスト
患者様は両手を組んで母指を立てて(立位の方が小脳の状態出やすい)
身体を左右回旋(80度、5回旋)母指を見続けられるか(目が動かないのが正常
→動く、遅れる、早くなるのが異常)
(首と同じ方向に眼球を動かす→前庭動眼反射を抑制)
前庭動眼反射が起きなければめまいが起きるが
小脳が前庭動眼反射をキャンセルを出来なくてもめまいが起きる。
大脳皮質、動眼神経、滑車神経、外転神経、外眼筋、小脳の機能低下
リハビリはテストをそのまま行う
眼球運動と三半規管の連動の検査
バランスパッドに上に閉眼で立ってもらいます。
初動でふらつく方向を見極めます(右斜め前→右前半規管 右斜め後ろ→右後半規管
左斜め前→左前半規管 左斜め後→左後半規管)
ふらつく方向と反対側に眼球運動をして、ふらつきが安定したら三半規管の問題です。
(小脳の問題であればふらつきは治らない)
迷路反射キャンセルテスト(小脳)
顔を向けた方の手足が緊張し、胴体が向く反射
この反射がキャンセルされないとめまいが起きる
身体が向く方向に顔が向いてしまう
患者様は立位で両手を前に挙げさせ閉眼。
術者は患者様の顔を左右にゆっくり動かす。
患者様の体幹(手)が左右に動くと陽性(動かないのが正常)
患者様の顔を左右に向かせたまま歩かせて、歩く方向が大きく変わったら陽性。
(変法)立位、閉眼で患者様に顔を動かさないで上体を左右に回旋してもらう
その際、顔が動いたら陽性。
眼振検査
固視させないためVRメガネを使用し、頸椎20〜30度屈曲で15秒左右に首を振り(2セット)
眼振を観察(下を向くとめまい起きやすい→30度で水平半規管のリンパ液流れやすい)
眼振 眼球が反射により不随意な往復運動をすること
左眼振→右緩徐相、左急速相 右眼振→右急速相、左緩徐相
水平眼振…眼球が水平に動く
左眼振 左前庭システム機能亢進(良性発作性頭位めまい症) →眼振側が正常
左側急速相 右側緩徐相
右前庭システム機能低下(自律神経のめまい→酸欠)
垂直眼振…眼球が垂直方向に動く
回旋性眼振…眼球が時回り、反時計回りに動く(上斜筋、下斜筋)
一方向性水平眼振(末梢性) 緩徐相と急速相が交互に行われる眼振
一方向性垂直眼振(中枢性) 即病院(問題なければ対応)
一方向性混合性眼振 水平・垂直・回旋性の混合。まず病院(問題なければ対応)
眼振は数時間過ぎると固視で眼球を抑えられるようになる。
暗い場所や固視が出来ない状態だと眼振が現れるのは小脳の機能低下。
目をつぶって瞼の上から眼球が動いているか見る
固視微動による眼振 小脳は「止める」機能があり、小脳機能低下で眼球を動かさずに
止めておけなく、目が動いてしまう。
視運動性眼振検査
OPKテープを使用して(赤だけを見る)
左右、上下の違い、左右上下の眼振の回数の違いや眼振のバランスを見る。
眼振がスムーズでない方が機能低下。
機能低下側での方向で乗り物酔いしやすい
小脳の検査
立位で障害があり、重力が掛からない仰臥位で症状が消失、軽減する場合は小脳の問題の可能性が高いです。
閉眼書字検査
閉眼で自分の名前を縦書き(左手は机に着かない、身体、頭位は真っ直ぐ、立位だとより小脳の検査になる)→字の大きさ、流れを見る
→左右に流れる(流れている側の小脳の問題)、字が詰まっている、空き過ぎ→小脳機能低下
文字がだんだん小さくなる→大脳基底核の問題
文字が大きい、震える→小脳機能低下
ロンベルグテスト(何回もやると小脳リハビリになる)
患者様は開眼で足を揃えて直立に立つ→足の位置を変えた時、腕が離れる時間を計測
→3回計測(平均値を出す)、揺れの方向も確認→閉眼でも同様に行う
開眼→視覚と固有感覚で平衡感覚を保つ(ふらつくのは小脳の問題)
閉眼→固有感覚のみで平衡感覚を保つ(ふらつくのは固有感覚の問題)
ロンベルグテスト変法
患者様は開眼立位。術者は後ろに立ち不意に左右に押し、姿勢保持能力を見る
→倒れやすい、左右差がある(倒れやすい方の小脳の機能低下)
前後(心理テスト)
後ろ→前が弱い ネガティヴ(後ろ向き)前→後ろ強い
前→後ろが弱い ポジティブ(前向き) 後ろ→前強い
ロンベルグ環境テスト(両足揃える)
① 直立閉眼立ち 一方方向に揺れるめまい(片側の小脳機能低下)
倒れず不安定な動揺性(小脳全体の機能低下)
②硬い床で開眼 前庭システムの機能低下 注視(目で一点を見る)
足からの深部感覚が鈍麻、下半身筋力低下
硬い床で閉眼 固有感覚が鈍麻、下半身筋力低下(高齢者)、精神不安定
③ 柔らかい床で開眼 視覚・前庭感覚・固有感覚が統合されてない 下半身筋力低下
柔らかい床で閉眼 前庭システム(視覚・固有・平衡感覚)機能低下、下半身、不安感
③ 閉眼片足立ち
両手を腰に当てて閉眼片足立ち。足が動いたり、手が腰から離れる時間を計測。
福田式ステップテスト
両手を前に出して閉眼でその場で足踏み50回、股関節は90度まで上げる
患者様に数を数えさせる。
45度以上の偏位で前庭障害が代償されていない(偏位側の小脳機能低下)
各種歩行テスト(繰り返すと小脳リハビリ)
・閉眼歩行(左右どちらに流れるか)
・継足歩行(踵とつま先を合わせ、開眼・閉眼で左右どちらに流れるか前と後ろ)
・頭を上下左右に振りながら(小脳の悪い方に身体が流れる)
・不意の方向転換(ハイと声を掛けてターン)
・ストップ&ゴー(手足を見る
・6ステップ(123→前に 456→後ろに)
・二十課題(歩きながら100-7など計算問題を出す→小脳+前頭葉)
・指鼻テスト(術者が指を出し、患者様は術者の指と自分の鼻を指す→スムーズに出来るか)
・手の回内回外テスト夜動きがスムーズか左右差があるか
両手を前方屈曲90度で回内回外を連続(小脳傍注部)
肘屈曲で回内回外を連続(大脳小脳)
・指の巧緻運動テスト(手を前に出して指を順番に連続で動かして動きの協調、スムーズさ)
手の回内回外テスト
両手を前に出して肘を伸ばして、バイバイする様に
手を20〜30秒連続で回内回外する。
動きにくい側の小脳機能低下。
固視微動検査
患者は立位で遠くを見てもらい、ピントはそのままで白い紙を目の前に出し眼が動くか見る
→眼球激しく動く(小脳機能低下) 少し動くのは正常
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